競合分析を行う理由
インターネットが普及した現在、ユーザーは検索結果などをきっかけに競合製品や競合企業どうしを手軽に比較できるようになりました。ユーザーに選ばれるためにはユーザーの欲求を満たすだけでは十分ではなく、同じ価値を提供できる競合製品や競合企業よりも優れていることを示す必要があります。
競合相手(competitor)を分析し、自社が競合と比較してどのような望ましい違いを持っているかを明らかにした上で、それをユーザーに説得力がある形で提示すれば、それもまたユーザーが自社を選ぶ理由になります。つまり、競合分析を行う目的は、自社が競合に対して持つ差別的優位点(differential advantage)を明らかにすることに他なりません。
企業がユーザーの欲求を満たすことができるだけでなく差別的優位点を持つ場合には、ユーザーは「この企業は私が求めている価値を提供してくれる。そして、同じ価値を提供してくれる他社よりも良い」と考えます。ユーザーに選ばれる理由があるということです。
競合相手を特定する
競合相手を分析する前に、誰が競合であるかを明らかにする必要があります。競合相手を特定する際には、主に以下の 4 つの方向から考えます。
業界内の競合
自社と同種の製品やサービスを提供する企業は自社の競合相手です。競争が激しいにも関わらず違いを出せない場合には価格競争に陥る可能性が高くなり、利益率が下がってしまいます。
新規参入の脅威
業界に新規で参入してくる企業は潜在的な競合相手です。業界における自社製品のポジショニングが明確になっていなければ、お客様を取られてしまう可能性が高くなります。
代替品の脅威
自社と同種の製品やサービスではなくても、自社製品の代替品となり得る製品やサービスであれば、それらはすべて潜在的な競合相手です。
キーワードの競合
ホームページで集客を行う際には、ターゲットとなるキーワードを設定します。そのキーワードで検索した際に上位に表示される他社のホームページと広告はいずれも競合相手です。
3C分析を行う
ユーザー(customer)、自社(company)、競合相手(competitor)という 3 つの C の関係を整理することにより、自社がユーザーに提供できる価値と自社が持つ差別的優位点を確認するフレームワークが 3C 分析(3C analysis)です。
自社がユーザーに提供できる価値を確認するためには自社分析を行います。つまり、自社分析を通じてユーザーと自社の関係を分析することにより、自社の強みを通じてユーザーのどのようなニーズを満たすことができるかを明らかにします。
自社が持つ差別的優位点を確認するためには競合分析を行います。つまり、競合分析を通じて競合相手と自社の関係を分析することにより、自社が競合と比較してどのような望ましい違いを持っているかを明らかにします。
繰り返しになりますが、ユーザーが求める価値を提供できるだけでなく、差別的優位点を持つ場合には、その会社はユーザーに選ばれる理由があります。
比較戦略キャンバスを作成する
差別化の源泉となり得る項目を基準に、自社と競合相手を比較した上で、それをマッピングしたものが比較戦略キャンバスです。
キャンバスの横軸には「ユーザーから見た価値」を取り、縦軸にはそれぞれの価値を「ユーザーが享受している程度」を取ります。その上で、自社と競合相手がそれぞれの価値をどの程度提供できているかをマッピングします。
比較戦略キャンバスを作成することで、自社および競合他社が製品、サービス、配送などの何を売りにしているのか、さらには、ユーザーがどのようなメリットを享受しているのかを明らかにし、そこから自社の差別的優位点を明らかにします。
企業がホームページを通じて集客を実現するためには、ホームページをご覧になる潜在的なお客様に対して、企業の製品やサービスを選ぶべき理由を提示する必要があります。そこで私たちは、お客様企業のホームページを制作する前に、企業分析・3C分析・比較戦略分析などを活用しながら、お客様企業がどのような価値をユーザーに提供できるのか、競合企業と比べてどのような望ましい違いがあるのかを明らかにした上で、それをコンテンツの制作に反映させます。